English ▶

エスリル ニューキーボード − NISSE

日本語のキー配列

日本語のキー配列に関しては、アルファベットの入力用の配列については1種類、かな入力用の配列については5種類のキー配列にキーボード本体側で対応しています。

アルファベットの入力用の配列

QWERTY(JIS)配列

記号の配置を日本のJISキーボードに合わせたQWERTY(JIS)配列です。
FN-F3の設定jp
QWERTY(JIS)配列 QWERTY(JIS)配列
一般的なJISキーボードとNISSEの相違点について
  • [{]} キーは左側に移動しています。
  • ESC, TAB, ENTER, MENU キーは中央の領域に集めています。
  • BACKSPACE キーは親指用の領域に配置されています。
  • 修飾キーの配置は上図以外の配置にもキーボード本体の設定で変更できます: 修飾キーのレイアウト ▶
  • に対応するキーはありません。アンダースコア(_)は、新JIS配列で採用されていた方式に倣って、SHIFT-0で入力できます。
  • JISのカナ配列のかわりに、PC本体から見たときにJISのカナ配列と互換性のあるStickney Next配列をサポートしています。

参考: エスリル ニューキーボード − NISSEでは、日本語の入力にかな入力を利用する場合でも、アルファベットの入力用の配列に英語(アメリカ)のキー配列を利用するように設定することもできます。たとえば、Dvorak配列とTRONカナ配列の組み合わせを利用することもできます。(ただし、お使いになられているOSのキーボードの設定は英語(アメリカ)キーボードにする必要があります。)

かな入力用の配列

かな入力は、ローマ字入力と比較して、一般的により少ないキーの打鍵数で同じ日本語の文章を入力できるというメリットがあります。以下では、NISSEでサポートしている5種類のキー配列について、それぞれの原型が登場した歴史順に紹介していきます。

Stickney Next配列

これまでJISキーボードでカナ入力をされていた方が、NISSEに移行しやすいように用意した配列です。
FN-F3の設定jp
FN-F4の設定stick
Stickney Next 配列 Stickney Next配列
現在の日本語キーボードで使われているJISカナ配列は、1923年にBurnham Coos Stickneyさんがカナ タイプライター用に考案された配列が原型となっています。Stickneyさんの発明の時点では日本人にとって使いやすい配列を、ということで下記の点が強調されていました。
  1. 覚えやすい。カナの大部分を50音順の行ごとにまとめて配置。
  2. よく使うカナは4段の内、2段目と3段目に配置。
  3. 濁音・半濁音は濁点を右手で、対応する清音(か行,さ行,た行,は行)は左手で打鍵。
残念なことにStickney配列の優れた特徴はJIS配列では歴史的な過程でかなり失われてしまい、JISカナ配列は現在では実務ではあまり利用されていません。

Stickney Next配列は、オリジナルのStickney配列をベースにNISSE用に新たにデザインしたカナ配列です。オリジナルのStickney配列のよい部分は保持したまま、9文字のカナ(ケセソヘホメヌロ)をより打鍵しやすい位置に移動し、現代文では使われることのなくなった2文字(小さなㇷとㇹ)を削除したものになっています。PC本体から見た場合は、NISSEの Stickney Next配列は標準の日本語JISキーボードと互換性があります。

図2では、Stickney配列の特徴が分かりやすいように50音の各行を色分けしてあります。

親指シフト (Nicola配列)

親指シフトは、1970年代後半から富士通の神田泰典さんらが、キーボードの初心者でも日本語の文章を考えながら入力しやすいように、と開発されたカナ配列です。

親指シフトのNICOLA規格では、F型 (富士通のワープロOASYSのようにBACKSPACEキーがセミコロンの右横にあるタイプ), J型 (QWERTY(JIS)ベース), A型 (QWERTY(US)ベース)の3種類の配列が定められています。NISSEでは、キーボードの本体設定によってそれぞれのタイプに倣った配列に設定できます。ワープロの時代から親指シフトを使われている方は、F型に設定されて使われることがほとんどのようです。

設定項目F型J型A型
FN-F3の設定jp-njpus
FN-F4の設定nico
FN-F5の設定d24, d36, d48 のいずれか
FN-F9の設定off
親指シフト (Nicola F)

左手親指のSHIFTキーの右横のキーは10キー側のENTERキーのキーコードを送信するようになっています。
Bluetooth無線技術対応タイプでは、FN-F2設定が'mac'の場合、iOSとの互換性のため、通常のENTERキーのキーコードを送信します。

親指シフト F型
親指シフト (Nicola J) 親指シフト J型

親指シフトでは、シフト面の文字を入力する際は、上図でシフト面の文字と同じ色のシフトキーを同時に打鍵します(同時打鍵方式)。また、濁点付きのカナ文字は、カナのキーと反対側のSHIFTキーを同時に押して入力します:

: + SHIFT ⇒ げ, + SHIFT ⇒ ど

同時打鍵方式では、シフト面の文字が続くときも、毎回シフトキーを押し直して入力するのが基本になります。ただし、NISSEでは、シフトキーを押したままにしていると2文字目以降もシフト面の文字が入力されます(連続シフト方式)。

参考: 親指シフトではシフト面にも出現頻度の高いカナ文字が配置されているため、シフトキーを押す頻度はかなり高くなります。富士通の純正の親指シフト キーボードでは同時打鍵をしやすいようにシフトキーは他のキーよりも背が高くなっているほか、キースイッチ自体も軽めに設定されています。NISSEの場合は、左右にもキーボード自体に傾斜が付いているので、やはり同時打鍵がしやすくなっています。またスイッチに関しては、一番作動力の軽いGATERON(白軸)のスイッチが、親指シフト ユーザーの方には好まれているようです。

M式

M式は、NECの森田正典博士が、日本語に最適なキーボードと入力方式を、と1980年代前半に考案されたものです。M式ではキー配列だけでなく、専用のエルゴノミック キーボードの開発もあわせて行われました。現在はM式キーボードは販売されていませんが、日本では約20年間にわたって販売されていました。M式のエルゴノミック キーボードのデザインは、その後の様々なエルゴノミック キーボードのデザインにも繋がる部分も多い、大変に優れたものでした。
FN-F4の設定mtype
M式 M式

M式の配列は、母音(EUIAO)は左手のホームポジションに、子音(KSTNHMYRW)は50音順に右手に並べられていて、非常に覚えやすいように設計されています。また単純なローマ字入力とは異なり、複数文字列を単打鍵で入力できる複合キーを採用したりすることで、慣れてくれば高速な入力もできるように設計されています。

JIS X6004 (新JIS配列)

JISカナ配列ではタッチタイピングの習得が難しい、といった問題を解決することを目標に1986年に新しいJIS配列として一旦は規格化されたのがJIS X6004配列です。当時は新JIS配列と呼ばれていましたが、1999年に使用実態がないという理由から現在はJIS規格としては廃止されてしまっています。
FN-F4の設定x6004
FN-F9の設定on もしくは led
JIS X6004 JIS X6004 (新JIS配列)

X6004は、シフトキーを単独で先に押すプレフィックス シフト方式を取り入れている点が特徴的です。濁音・半濁音の入力は、JISかな配列と同様に独立した濁点・半濁点キー方式となっています。X6004では、タッチタイピングをしやすいようにカナをJISの4段から3段に減らして配置していますが、シフトキーも含めた総打鍵数は、シフト面に出現頻度の低いカナを配置することで、JISカナ配列と比較してもほとんど増えないように設計されています。高速なロールオーバー打ちがしやすいように文字の配置が最適化されていることもあり、JISかな配列で300字/分といった速度で入力されることもあるオペレーターの方が操作された場合でも、確実にJISかな配列よりも優れているように設計されたことがうかがえます。

商業的には、X6004の規格化にも携われた伊藤英俊さんはインタビューの中で『キー配列自体はすぐれたものでした。(略)しかし、いくらすぐれていても、販売に問題があった。私どももワープロ専用機やパソコンを新JIS配列と従来の配列と二種類用意したのですが、いかんせん売れなかった。売れないと販売店が置いてくれず、ますます売れなくなる。結局普及せず、新JIS配列の規格もとうとう廃止になってしまいました』と振り返られています。実際には、エミュレータ等を利用すれば通常の英語キーボードにそのまま新JIS配列のカナ文字を配置して利用することも可能で、現在でもNISSEも含めて利用されている方がいらっしゃいます。

TRONカナ配列

TRONカナ配列は、1980年代中頃にTRONプロジェクトのTRONキーボード サブプロジェクトの中で開発された配列です。TRONカナ配列は、新JIS配列のようにシフト面に使用頻度の低い文字を配置する一方で、濁音の入力には親指シフトのようにシフト方式を使うという設計がされています(濁点キーも一応あります)。
FN-F3の設定us
FN-F4の設定tron
TRON カナ配列 (QWERTY 仕様) TRON カナ配列 (QWERTY 仕様)
TRONキーボードの大きな特徴は、タッチタイピングをしやすいようにデザインされた、独特な形状をしたエルゴノミック キーボードでした。そのTRONキーボードの物理的な形状に合わせて、通常のキーボードでは使用しにくい四隅のQキーや/キーなども有効に活用することで、TRONカナ配列は打鍵効率にも優れた配列に仕上げられています。(通常のキーボード用のカナ配列では総合的にTRONカナ配列と同レベルの効率を達成するのはなかなか困難なようです。)

参考: 当時のオリジナルのTRONキーボードは現在では販売されていませんが、2007年からはオリジナルのTRONキーボードよりは控えめなデザインになったµTRONキーボードがパーソナルなメディア㈱から販売されています。

FN-F3の設定us-d
FN-F4の設定tron
TRON カナ配列 (Dvorak 仕様) TRON カナ配列 (Dvorak 仕様)
TRONキーボードでは、英数の入力にはDvorak配列がデフォルトでは採用されていました。図8は、Dvorak配列とTRONかな配列を組み合わせて利用するようにNISSEを設定した場合のレイアウトです。また、TRONキーボードでは、記号についても左右シフトを使い分けるTRON独自の配列が使われていました。NISSEではTRONカナを利用する場合も、記号についてはQWERTY配列やDvorak配列をそのまま利用します。これは手の小さめの方ですと、特にキーピッチ18.8mmのLサイズ仕様のNISSEでは、最上段の数字キーまで左右シフトで別々の記号を割り当てて打ち分けるのはきつい部分があるためです。

参考: NISSEのキースイッチの配置は、TRONキーボードの研究によって得られた、日本人の指の動く範囲の測定データに基づいてデザインされています(どうして変な形をしているのですか? ▶)。そのためTRONカナ配列との相性もとてもよくなっています。